目の前の世界が変わった。
職業訓練校で学んだ溶接技術を生かせる仕事を探していて、会社見学をした際に、明るい印象を受けて当社に入社したいと思いました。
現在は粉体機械部製造課として、ミキサーの組立てをメインに行っています。ミキサーと聞くと一般の方にとっては 調理器具のイメージがあると思いますが、当社が製造しているのは産業用粉体関連機械です。具体的には、コンクリ ートなどのインフラ関連から、洗濯用洗剤や歯磨き粉、食品だとココアやインスタント麺の粉末スープなど、皆さん の生活に密接にかかわっている製品を作っているミキサーを製造しています。
大きさは1メートルくらいのものから、十数メートルにもなる大きなものまであり、性能も役割によりさまざまで す。製品ごとに工程や行う内容が違い、大きいものだと組み立てるのに1カ月程かかることもあります。設計図を元 に一から作り上げるものもあれば、納品後に経年劣化で摩耗してしまった羽など、部品のみを作ることもあります。 割合は半々くらいでしょうか。
今担当している機械は、一から作り上げるもので、私にとっては初めて作るタイプです。自分で試行錯誤しつつ、わからないことは先輩に聞きながら進めています。物事の理屈、本質を考えられるようになってから、すべて理解できなかったとしても、「ああ、こういうことなんだな。」と、概要がつかめるようになり、仕事がとてもやりやすくなりました。
入社してしばらくは、正直、「先輩に全く追い付けない」「早くできるようにならなくちゃ」という焦りがありました。振り返ると、その気持ちも大切ですが、一つずつ物事を分解して、本質を理解していく力がすごく大事だったなと思います。私はその考え方ができるまでに2年くらいかかって、とても苦しい時期を過ごしました。
これは、当社が解決しようとしている課題でもあるのですが、粉体機械はお客様に合わせてオーダーメイドになることがあり、マニュアルが無い場合があります。そのため、わからないことを聞きに行くと、人によって答えが違うことがあります。そうなると、新人は何をしたらよいのかわかりません。でも、物事の理屈を考えられるようになると、みんなが言っていることを自分が正しいと思う方向に混ぜてしまえるようになるんです。
ただ、私自身もまだまだ経験や知識が足りないので、悩まされることはあります。そもそも人と関わることがあまり得意ではないので、「聞く」ということが苦手なんですよね。でも、雲の上のような存在の先輩から「別にわからないことは聞けばいいんだよ。恥ずかしがる必要なんてない。自分もわからないことがあったら先輩に聞くし。わたりちゃん(石渡さんの呼び名)もそうだよ。後輩ができたらそうしてあげて」と言われて以来、恥ずかしがらずに「よし、先輩に聞こう」と思えるようになりました。
先月、年齢は上ですが、後輩ができました。その方には、私が時間がかかってしまった「物事の理屈の理解」を、なるべく早くできるようになって欲しいと思っています。なので、できる限り「なんでこうなのか」というのを説明するようにしています。「これを削っといて」「これをつけといて」とだけ言われても、「なんでこの作業が必要なのか?」の理解ができないじゃないですか。「これはこうやって削りますよ、理由はこうですよ」と説明すると「なるほど」と理解してもらえるんです。私自身もいわゆるZ世代なのでわかるのですが、今の若い人は、理由がわからないと不安になるんです。
あとは、大人になると褒められる機会ってあまりないので、できるだけ褒めるようにしています。自分自身も仕事がうまくいくようになり、「すごいじゃん!」と言われてすごく嬉しかった記憶があります。報われた、というか、頑張って続けてよかったと思いました。
やりがいにもつながっていきますが、溶接がうまくいったとか、機械が組みあがったとか、その日の目標が達成でき たとか、自分の中でゲームをしていく感覚を持つと、仕事が楽しくなるのかなと思います。
※繁忙期(納期間近or10~3月)だと2時間~3時間ほど残業あり。
大平洋機工株式会社 採用・教育室